水が出るまで掘る勉強をしよう!
水が出るまで掘る勉強をしよう!
〜数学の応用問題に立ち向かう姿勢〜
「先生、解き方はわかったけど、また出たら解けるか不安です…」
こんな声を聞くたびに、私は思います。
「それは、本当に自分の力で解いたわけじゃないんだな」と。
「自分の力で解けない問題は、解けない」
ちょっと厳しい言い方かもしれませんが、
これは数学の応用問題に挑むときに、
最初に持つべき心構えです。
先生の説明を聞いて
「なるほど」と思っても、
それは“理解”であって
“実力”ではありません。
本当の実力とは、自分の頭で考え、
粘って、何とか解こうと努力した末
にしか身につかないもの。
人から教わった知識は“借り物”であり、
繰り返し自分で使いこなして
初めて“自分のもの”になります。
「わかる」と「できる」は全く違う
授業で先生の説明を聞くと、「わかった!」と感じることがあるでしょう。
でも、翌日もう一度その問題を解いてみて、
手が止まってしまう…。
それは、「わかったつもり」で終わってしまったからです。
この「わかる」と「できる」の間には、
大きな壁があります。
そして、その壁を越えるためには、
自分の頭で考え抜く時間が必要です。
本当に大切なのは「水が出るまで掘る」こと
中国の古典『孟子』に、こんな言葉があります。
「井戸を掘るなら、水が出るまで掘らなければ、いくら深く掘っても、それは結局、井戸を捨てたことになる。」
勉強も同じです。
途中であきらめたら、
それは「掘ったこと」になりません。
先生の説明を聞いただけで終わった勉強は、
まだ“水”に届いていない状態です。
そこからが本当の勝負。
・ノートに写してもう一度解き直す
・自分の言葉で解法を説明してみる
・何度も繰り返して体に染み込ませる
これらの「井戸を掘り続ける作業」を通して、ようやく“水”=本物の理解と力が手に入ります。
数学は真剣勝負。時間との戦いでもある
数学の応用問題は、定期テストのような“練習試合”とは違い、まさに“真剣勝負”です。
入試などでは、限られた時間の中で、即座にポイントを見抜き、正確に答えを導き出す力が求められます。
「なんとなく理解した」状態では、
同じ問題すら解けないかもしれません。
ましてや、少しでも形が変わった
類題には、手も足も出ないのです。
深く掘った経験が「知恵」になる
知識は教えてもらえるものですが、
「知恵」は自分で掘り当てるしかありません。
問題のポイントを見抜く力、
ミスに気づく直感、
時間配分の工夫…
これらは、深く考え抜いた経験の中からしか得られない“学びの宝物”です。
「自分の力で解けない問題は、解けない」——
これは、冷たい現実かもしれません。
でも、その現実に早いうちに気づき、
自分の力で解けるようになる努力を始めた人から、
確実に成長していきます。
わからない問題に出会ったとき、
「やっぱり自分はダメだ」と落ち込むのではなく、
「これは自分が強くなるためのチャンスだ」と思ってください。
その問題には、あなたを次の
ステージへ連れて行ってくれる“階段”が隠れています。
見た目は難しくても、
本気で考えて、
失敗して、
また考えて……
そうやって粘り続けた先に、初めて「水」が出るんです。
誰かの説明を聞いて「なるほど」と
思うことも大切ですが、
そこで終わってしまっては水には届きません。
本当の意味での理解、自分の武器としての力にするためには、
・自分で解いてみる
・つまずいたところを分析する
・何度も繰り返して、瞬時に解法が浮かぶまで体に染み込ませる
そんな
「自分との対話」が必要なのです。
応用問題の前で立ち止まったときこそ、成長できるチャンスです。
その苦しさの先に、見える景色が変わってきます。
焦らなくていい。
あきらめないで。
深く、深く、掘っていこう。
そして、いつか確かな手応えとともに「水が出た」と感じられる瞬間が来るはずです。
その経験は、必ずあなたの大きな自信と知恵になります。
——水が出るまで。
一緒に掘り続けよう。